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歯周病

歯周病とは、歯の周囲に付着したプラーク(歯垢)が歯と歯肉の隙間に入り込み、歯を支えている骨を溶かしてしまう病気です。プラークには非常に多くのバクテリアが含まれていて、そのバクテリアの出す毒素が歯肉に炎症を起こし、そして歯をささえている骨を溶かすのです。歯肉が腫れる、歯肉から出血する、口臭が気になる、歯がグラグラするなどの症状があれば、歯周病にかかっているのかもしれません。
成人の歯周病は、25歳で80%くらいの人がかかっていると言われています。自覚症状もなく発症し、適切な処置を行わないかぎり加齢とともにゆっくり進行しますので、定期的な検査をお勧めします。

歯周病

歯周病と全身の健康~歯周病菌は高齢者や妊婦の大敵

歯(入れ歯)をしっかり磨きましょう!! そうしないと・・・こんな可能性が・・・

歯周病21.(誤嚥性)肺炎を引き起こす可能性がある
肺炎はお口の中の細菌が唾液といっしょに肺に入ることにより起こります。
※起こしやすい方
脳血管障害(脳梗塞など)の高齢者
寝たきり高齢者
免疫力が低下している状態の方
2.インフルエンザウイルスや風邪ウイルスの感染をサポートしてしまう
歯周病菌やのどの細菌の酵素が、のどの粘膜のバリヤ(唾液糖タンパク質)を壊し、インフルエンザや風邪のウイルスの吸着を助けてしまいます。
3.早産、低体重児出産を引き起こす可能性がある
歯周病の妊婦は分娩の後期に至る前に、歯周病による炎症性物質の早期の上昇により、分娩時期の前に頸管熟化と子宮収縮が引き起こされ、早産になるのではないかと考えられています。
口腔内の歯周病細菌が血中に入り、産科器官まで達し、そこで直接感染が起きると、早産の可能性だけでなく、胎児の発育不全による低体重児出産も引き起こす可能性があると考えられています。
4.歯周病と糖尿病(歯周病により糖尿病を治りにくくする)
糖尿病者は歯周病にかかりやすいです。逆に重症化した歯周病はインスリンに対して抵抗する因子となるため、血糖コントロールが悪化するといわれています。裏を返せば、歯周病を治療することで血糖コントロールが好転する可能性があります。
5.メタボリックシンドロームと歯周病
肥満者の内臓脂肪にはTNF-αという炎症性物質が高発現しており、これがインスリンに対する因子となるため、糖尿病、歯周病を引き起こす要因になっています。
最近、歯周病が肥満の原因の一つになっている可能性も考えられています。
6.動脈硬化を助けてしまう可能性がある
最近の報告で歯周病菌が体内に入ってきたときに、それを追い出すための過程が動脈硬化に関わる可能性があると考えられています。
7.歯周病が心臓血管疾患を悪化させることがある
心内膜といわれる心臓の内側の膜や弁に血液を介して細菌感染がおこると、細菌性心内膜炎といい、心不全につながることさえあります。
8.ストレスと歯周病
免疫系を低下させるストレスは、他の多くの病気と同様に歯周病においても、その発症と進行に関連しています。
9.喫煙と歯周病
タバコ10本以上/日 → 歯周病5.4倍
喫煙歴10年以上   → 歯周病4.3倍
(喫煙により口腔がんによる死亡率は2.9倍)
喫煙によって歯周病リスクが増加するのは、歯周ポケットの歯周病菌に対しての防御機構が障害されるからです

歯周病の治療の流れ

1.歯周病検査
歯周ポケット(歯と歯肉の隙間)の深さを測って、炎症の状態を確認します。
2.ブラッシング指導
患者様それぞれにあった歯ブラシでの磨き方を指導していきます。必要に応じて、補助器具(歯間ブラシ、デンタルフロス、ワンタフトブラシなど)の使い方も指導していきます。
3.歯垢、歯石の除去
歯ブラシでは取れない歯垢、歯石を超音波や専用の器具で取っていきます。
4.歯周外科治療(3までの治療で炎症がおさまらない場合)
・フラップオペレーション
重度の歯周病で、歯周ポケットの深いところについた歯石を取りきれないとき場合、歯肉を開いて視野を確実にして取っていきます。
・歯周組織再生療法(保険外)
特殊な膜やゲルを使うことで、一度失った骨、歯根膜を再生させることが可能になってきました。ただし、適応症の範囲が狭く、再生する量も限られてきます。ご相談ください。